「邪馬台国は別府温泉だった!」酒井正士著
古代史最大のミステリーである邪馬台国の真実に迫る歴史リポート。
生命科学者の著者は生データを重視。邪馬台国を研究する際は「魏志倭人伝」が生データに相当する。邪馬台国や卑弥呼について書かれた史料は、中国の正史「三国志」の一部である魏志倭人伝しかないからだ。
倭人伝には古代中国が朝鮮半島に置いた行政組織・帯方郡から邪馬台国までの行程、途中の国々の戸数や邪馬台国の制度などが詳述されている。従来の学説の多くは、魏の使節の上陸地・末盧国を松浦地方(佐賀県)とするが、著者は倭人伝を再検証して北九州市の洞海湾沿岸と特定。そして倭人伝の記述の通りの距離と方角に進むと、大分県別府市の扇状地こそ、邪馬台国だという結論に至ったという。
(小学館 840円+税)