「江戸の牢屋」中嶋繁雄著

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 江戸時代の牢屋敷は、悲惨残酷を極め、幕末には犯罪者の激増で、1畳に18人も詰め込まれたという。

 そんな知られざる牢屋敷の実態を解説する歴史テキスト。

 牢屋敷のトップ「囚獄」は、石出帯刀家代々の世襲職で、その下に同心58人と下男30人がいた。しかし、実際には牢内の秩序は自治組織ともいえる牢役制度によって保たれ、そのトップに位置する牢名主は、見張畳と称して12枚重ねの畳の上に構え、囚徒の生殺与奪権を握っていた。横行するリンチや人減らしのための「作造り」と呼ばれる殺人、「死後入牢」という奇妙な制度、悪徳牢医師など、多くの史料をひもときその実態を紹介。さらに離島への流刑人たちの実情や、吉田松陰ら幕末の志士らの牢屋敷体験まで網羅したお薦め本。

(河出書房新社 880円+税)

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