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「レスキューナースが教える 新型コロナ×防災マニュアル」辻直美著

 いよいよ師走の冬本番。ただでさえコロナ禍、そこにもし災害があったらどうすればいいのか?



 看護師として働いているさなかに阪神・淡路大震災を経験した著者。実家が全焼したのを機に災害医療に目覚め、以来、防災専門のレスキューナースとして働いてきたというベテラン中のベテランだ。

 そんな著者は、新型コロナウイルス感染症も災害だと明言。しかも「得体の知れない災害」だという。確かにそのとおり。では、どうするか。本書はその具体策を写真と図解を豊富に駆使して紹介する。

 手の消毒はどうするか。ベストは、せっけんでの手洗いで、アルコールはベター。流水で流すのは「可」。またコロナウイルスは手についただけなら感染しない。注意は目に触ったり、鼻の穴や口の中をいじらないこと。マスクを外すときもなるべく外側を触らず内側を表にしてたたむ。要はコロナ感染予防の解説なのだが、本書のよさは「メンタル」を見落としていないこと。たとえば著者自身のコロナ対策には「オモシロク生きる」というのがあり、「『崩れないメイク』も立派な感染対策」の解説もある。

 ユーモアのある気配りがいい。

(扶桑社 1100円+税)

「マンション防災の新常識」釜石徹著

 いざ大災害が起こったら、普段は便利な高層マンションほどヒドい目に遭うのは周知のこと。「災害対策研究会主任研究員兼事務局長」でマンション防災士の資格もある著者は「マンション」という注目点に絞って、いろいろな心得や工夫、具体策の情報を解説する。

 まずは自分の住むマンションの住民で共有するマンション防災シートを作成する。作成はマンションの防災委員会。共有部と専有部の被害を具体的に想定し、1枚のシートにまとめてコピーを配布。大きく引き伸ばしたものもマンション内に張り出しておく。いざというときの水や食料は各戸で用意し、マンション側では備蓄しないなど具体的なアドバイスが列記される。

 いざというときの調理ツールとして、湯せん用ポリ袋とカセットコンロを用意するなど納得のアドバイスが多数ある。

(合同フォレスト 1500円+税)

「人に寄り添う防災」片田敏孝著

 災害情報学を専門とする著者は2018年、内閣府の中央防災会議に参加。そこでどうしてもぬぐえない違和感を抱く。

 各分野の専門家と官僚が知恵を絞った案があっても、毎年同じように災害が繰り返されるのはなぜか。何か違う視点が必要ではないか。また官僚文書には住民に「避難していただく」などの文言が見えるが、防災とは「していただく」ものなのか。防災と住民が一体となって取り組むべきものではないか。

 場違いかと危惧しながらもこう言わずにいられなかったという著者は、これまでの「行動指南型」の防災指針ではなく、各人に自立を促す「状況通達型」にするべきだと説く。

 災害のたびに「想定外」が続く日本。根底から発想を転換すべきなのだ。

(集英社 780円+税)

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