「騙(かた)る」黒川博行著

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「アートワース」は売れない芸術家の作品を紹介して掲載料を取る、ちょっといかがわしい美術雑誌だ。編集長の佐保は、近代抽象彫刻の大家、楢沢知也の遺族から、楢沢の遺品のコレクションを処分したいという依頼の手紙を受け取った。未亡人は入院中で、会ったのは姪の宮前邦子とその妹だ。

 見せられた作品はレプリカだったが、佐保は楢沢の作品のマケット(縮小模型)に目を付けた。邦子はオークションに出したいと言うが、佐保は画廊や美術商に売るように勧めた。そのほうが落札価格を邦子に知らせずにすむからだ。佐保はギャラリーはなむらに1点70万円で売り込むが……。(「マケット」)

 美術界に蠢く人びとを描くミステリー6編。

(文藝春秋 1500円+税)

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