「アンダークラス」相場英雄著

公開日: 更新日:

 警視庁継続捜査班の田川信一の元に、第一強行犯捜査係の梶山から人捜しの依頼が持ち込まれる。来日を支援したベトナム人女性の技能実習生アインが失踪してしまい、彼女が入管に摘発されれば面倒なことになるため、窓際族を自称する田川にその任務が回ってきたのだ。

 ところが捜索を始めようとした矢先、アインが老人施設の入居者・藤井の自殺幇助をした容疑で逮捕される。劣悪な労働環境に耐えかね神戸の裁縫工場から飛び出したアインはその後、ベトナム人ネットワークで仕事を見つけながら日本列島を北上し、秋田の老人施設で働いていた。彼女はそこで重篤ながんを患っていた藤井に頼まれ、自殺を幇助したと自供した。

 しかし、田川は不自然に固まった死体の手を見て、他殺の疑いを深める。調査を進めるうち、事件の裏に世界的な大手流通業者の姿が見えてくるのだが……。

震える牛」「ガラパゴス」に続く田川信一シリーズ第3弾。外国人労働者問題に象徴される買いたたかれる人材の実態や、巨大企業が生み出す過酷な仕事環境など、社会の底が抜けたリアルな日本が見えてくる。

(小学館 1700円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網