「サラリーマン生態100年史」パオロ・マッツァリーノ著

公開日: 更新日:

 新聞や雑誌、映画などを参照し、時代によって変わるサラリーマンの生態を描く面白エッセー。

 何人もの愛人を囲っていた渋沢栄一のように、かつては愛人がいるのが出世した男のステータスとされていた時代があった。

 明治の新聞「萬朝報」には、有名人の愛人を調査公表する連載まであった。可能にしていたのが今とは比べものにならない社長たちの高所得だった。戦後、一流企業の社長の給料は戦前の4分の1以下となり、経費で愛人のお手当を落とそうとするやからまで出てきた。交際費が大幅に認められるようになったのも理由だ。

 その他、マイホームやギャンブル、通勤地獄、新入社員気質まで、さまざまな角度からサラリーマン文化・会社文化の変遷を分析する。 (KADOKAWA 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因