「サラリーマン生態100年史」パオロ・マッツァリーノ著

公開日: 更新日:

 新聞や雑誌、映画などを参照し、時代によって変わるサラリーマンの生態を描く面白エッセー。

 何人もの愛人を囲っていた渋沢栄一のように、かつては愛人がいるのが出世した男のステータスとされていた時代があった。

 明治の新聞「萬朝報」には、有名人の愛人を調査公表する連載まであった。可能にしていたのが今とは比べものにならない社長たちの高所得だった。戦後、一流企業の社長の給料は戦前の4分の1以下となり、経費で愛人のお手当を落とそうとするやからまで出てきた。交際費が大幅に認められるようになったのも理由だ。

 その他、マイホームやギャンブル、通勤地獄、新入社員気質まで、さまざまな角度からサラリーマン文化・会社文化の変遷を分析する。 (KADOKAWA 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る