「サラリーマン生態100年史」パオロ・マッツァリーノ著

公開日: 更新日:

 新聞や雑誌、映画などを参照し、時代によって変わるサラリーマンの生態を描く面白エッセー。

 何人もの愛人を囲っていた渋沢栄一のように、かつては愛人がいるのが出世した男のステータスとされていた時代があった。

 明治の新聞「萬朝報」には、有名人の愛人を調査公表する連載まであった。可能にしていたのが今とは比べものにならない社長たちの高所得だった。戦後、一流企業の社長の給料は戦前の4分の1以下となり、経費で愛人のお手当を落とそうとするやからまで出てきた。交際費が大幅に認められるようになったのも理由だ。

 その他、マイホームやギャンブル、通勤地獄、新入社員気質まで、さまざまな角度からサラリーマン文化・会社文化の変遷を分析する。 (KADOKAWA 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし