「古代エジプト人の24時間」ドナルド・P・ライアン著 市川恵里訳 大城道則日本語版監修
古代エジプトでは日没から次の日没までを1日とし、昼12時間、夜12時間に分けた。1日は真夜中から始まる。
夜の第7時(0時~午前1時)、メリトの陣痛が始まった。伯母のウェレトは呪文を唱え、家庭の守り神ベス神と、多産の女神ヘケトの像を持ってきて飾った。
やがて生まれた男の子は、良いもの、美しいものを表す「ネフェル」と名付けられた。
夜の第9時(午前2~3時)、ミイラ職人のハプネセプのもとに遺体が運び込まれた。
ハプネセプは左脇腹に開けられた切れ目に手を入れてはらわたを出そうとした。心臓は人の存在と知性の中心だから、出さずにそのまま残した。
古代エジプト人の一日をリアルに紹介する。
(河出書房新社 2530円)