「シャムのサムライ 山田長政」幡大介著

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 江戸時代初め、山田仁左衛門(長政)は、江戸で駿河の大名、大久保忠佐に駕籠(かご)かきとして仕えていた。

 ある日の夕暮れ、忠佐の駕籠を黒覆面の男たちが襲った。長政は倒れた徒士侍の刀を取り、男たちに斬りつけ、忠佐を守った。だが、それが江戸府内での抜刀を禁じた法に触れ、忠佐に指示されて江戸から逃げ出す。

 長崎から船に乗り、シャムに向かった。シャムの首都はメナム河を9日間も遡った地にあった。当時、シャムは熱病で正気を失った王が世継ぎの親王を殺してしまったため、後継者がいなくなって混乱していた。

 シャムで王家の娘と結婚し、王の信頼を得て総督となり、日本とタイの国交樹立に尽力した山田長政の生涯を描く歴史小説。

(実業之日本社 2640円)

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