「看取り医 独庵 漆黒坂」根津潤太郎著

公開日: 更新日:

 雪の日、小石川養生所の医師・良庵が知恵を借りたいと独庵を訪ねてきた。患者の巳之助の右手右足が食後に動かなくなるという。中風を疑ったが、症状は一刻(2時間)すると消えてしまうらしい。

 翌日、往診して巳之助を診察するが、独庵にも診断がつかない。養生所のすさんだ気配に不審を抱いた独庵は、良庵が別の目的で往診の依頼に来たのではないかと疑い、絵師の久米吉を患者に仕立てて内偵に送り込む。報告に来た久米吉によると、養生所内は看病中間(看護師)らが仕切り、すべてに金を要求されるという。再び養生所の巳之助を往診した独庵は、かつて独庵の診療所で働いていた平吉と再会する。

 江戸随一の名医にして剣の使い手である独庵を主人公にした時代シリーズ第2弾。

(小学館 704円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった