「思想をよむ、人をよむ、時代をよむ。」石川九楊著

公開日: 更新日:

 明治の政治家、大久保利通の書「為政清明(いせいせいめい)」を、書家の石川は「構築性を失わない飽くなきうねり」と表現する。この「うねり」の書きぶりは、西郷隆盛ら明治維新期の政治家に見られる特徴だという。西郷の「うねり」が永続革命を求めるように横に広がろうとするのに対し、大久保の書は新国家建設指向に対応して秩序を求めて縦に伸びようとする。現在の政治家や市民は「清明」を切実に望んでいるだろうか。

 五・一五事件で暗殺された犬養毅の書「敏於事而慎於言」(事に敏にして言を慎む)は切れ味のよい書きぶりである。最近は言を慎むより本質を隠匿した言葉が氾濫している。

 さまざまな書に表現されたものを書家が読み解く。

(ミネルヴァ書房 2750円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2026夏の甲子園「優勝校はココだ!」 本紙と専門家が徹底予想、“対抗”含む5校を紹介

  2. 2

    高市首相の大誤算…30代女性の支持率ピークから40P減で「嫌われサナエは女性の敵」いよいよ鮮明

  3. 3

    板東英二さん死去…長嶋茂雄や野村克也も認めていたその功績と人柄、金銭トラブルの数々

  4. 4

    「キル・ビル」から20余年…栗山千明「晩酌の流儀」が“第2の「孤独のグルメ」”になりそうな充実ぶり

  5. 5

    有望高校生の「とりあえず進学」にプロ球団悲鳴 直メジャー、米国留学…選択肢が増え受難の時代へ

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    読売新聞の世論調査「皇室典範再び改正 愛子天皇を認めろ」に85%賛成の衝撃結果

  3. 8

    大関復帰の安青錦 “強行出場”の収穫と代償…「少なくとも夏巡業は厳しい」の見立ても

  4. 9

    趣里が裏切り不倫報道の夫・三山凌輝に三くだり半を突きつける“Xデー”…伊藤蘭と水谷豊もついに離婚要求か

  5. 10

    夏ドラマ軒並み低迷のフジが賭ける秋ドラマは目指す「イカゲーム」になれる? 主演は坂口健太郎