「ヒトラー」芝健介著

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 1939年9月1日、独裁者ヒトラー率いるドイツ軍がポーランドに攻め込んで第2次世界大戦が勃発。大戦中、ヒトラーがユダヤ人ら数百万人を虐殺したことも周知の事実である。ポーランドに攻め込む4カ月前、ヒトラーは演説でドイツ経済をV字回復させたと自賛。

 ドイツの高齢者はこの「ヒトラー神話」に今も影響され続け、若者にもヒトラーが歴史の重要ポジションを占めていると考える人が多くいるという。

 こうした神話や過大評価に踊らされぬよう、最新の資料を踏まえ、等身大のヒトラー像を提示する評伝の決定版。

 オーストリア生まれのオーストリア人という出自に始まり、むしろ親ユダヤだった若き日からホロコーストに至る経緯まで。ナチス・ドイツ研究の第一人者が、その生涯を徹底的に洗い直す。

(岩波書店 1276円)

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