「聖なるズー」濱野ちひろ著

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 動物に対して感情的な愛着を持ち、時に性的な欲望を抱く「動物性愛」。自らを「ズー」と呼ぶそうした人々を取材したノンフィクション。

 愛とセックスの問題に悩み、大学院で動物性愛を研究テーマに定めた著者は、ドイツにある世界唯一の動物性愛者の団体に接触。チャットなどで信頼関係を築いた上で、設立メンバーのミヒャエルに会いに行く。

 ジャーマン・シェパードの「妻」キャシーと暮らす彼をはじめ、各メンバーの家に滞在し、話に耳を傾ける。

 彼らは動物にもパーソナリティーがあり、愛する対象は定めたパートナーだけで、動物が求めてこなければセックスもしないという。

 種を超えてセックスをする人々の話から、愛とセックスについて考察した第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。 (集英社 726円)

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