「熔果」黒川博行著

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 かつて大阪府警暴力対策係の刑事だった堀内信也と、堀内の相棒で同じく刑事だった伊達誠一の名コンビが縦横無尽に活躍するシリーズ第4弾。

 物語は、ヤクザに襲われて左足が麻痺したため家に引きこもっていた堀内に、伊達から仕事の誘いが入るところから始まる。お世話になっているヒラヤマ総業が落札した競売物件に、厄介な占有屋が居座っているため、話をつけにいくというのだ。

 2人が乗り込んだその物件には、前科ありで現在執行猶予中の男・松本清美がいた。彼の経歴を調べたところ、金塊密輸で捕まったことがあり、博多で白昼起こった金塊強奪事件とつながっていることを確信する。まだ押収されていない消えた金塊を追って、2人は大阪から淡路島、湯布院、小倉を経て名古屋へと西日本を駆け回るのだが……。

 疫病神シリーズなど、暴力と混沌の世界を生きる男たちを描くことが得意な著者ならではの元刑事コンビシリーズ。アウトローが跋扈する世界のなかで試されるふたりの固い絆が頼もしい。殺伐とした世界と対照的なユーモラスな会話が楽しく、あっという間に読み進められる。

(新潮社 2090円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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