「長生き足体操」 武藤芳照著

公開日: 更新日:

 先日、出先からの帰宅途中でショックな出来事があった。わずかな段差につまずき、アスファルトにしたたか膝を打ち、手のひらには擦り傷までもができてしまった。早い話が、転んだのだ。街灯がなくて暗かったし!と自分の中で言い訳をしてみたが、これは立派な老化のサインではないのか……。

 厚生労働省の調査によると、この20年間で転倒や転落による死亡は1.5倍に増えているという。“老化は足から”とはよく聞くが、老後の生活を大きく左右する転倒を防ぐためにも、今から足を鍛えておいて損はない。そこで早速、整形外科医の著者が教える健脚体操を実践してみた。

 まずは、椅子に座ったままで行える「足文字体操」。背もたれに背中をぴったりとくっつけて腰掛け、片足を太ももから膝、足首までまっすぐに上げて伸ばし、足首は直角を保つ。そして、上げた方の足で空中に自分の名前を書いてみるというもの。もう片方の足でも同じように行うのだが、これがやってみると思っていた以上に大変で、50音でも書いてやろうと思ったがひとりの名前を書くだけで太ももがくたびれてしまった。しかし、大腿四頭筋の筋力アップにつながるというので、会社のデスクでも休憩時間を見つけて続けている。

 転倒予防効果のある歩行運動も紹介されている。「つぎ足歩行」では、左右の足を交互に出すとき、前に出した足のかかとと後ろのつま先をくっつけるようにして歩く。歩行時のバランス能力を高める運動で、10歩程度を目安に行えばいいので家の中でも簡単にできる。最初は気を抜くと体がぐらぐらと揺れていたが、続けているうちにスムーズにできるようになってきた。

 足よ、若返ってくれ! 〈浩〉

(幻冬舎 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々