「利休を超える戦国の茶人 織田有楽斎」岳真也著

公開日: 更新日:

 織田源吾長益(有楽斎)は信長の13歳年下の異母弟で、信長が「うつけ」と呼ばれたのに対して、戦を好まぬ有楽斎は「へたれ」と呼ばれた。信長の守り役、平手政秀に可愛がられ、歌や古典、茶の湯の手ほどきを受ける。

 本能寺の変が伝えられたとき、有楽斎は信長の嫡男、信忠と二条御所に立てこもって戦った。追い詰められ、切腹しようとしたが、信忠に頼まれ、彼の嫡男の三法師を守るため落ち延びる。

 だが、関ケ原の合戦では三法師方につかず、徳川方についた。合戦後、二千石から三万石に加増され、家康の茶頭を務めて「茶の湯太閤」と呼ばれた。

 戦乱の世に、「武」ではなく、「遊芸」の茶の湯にいそしんで「有楽流」を創始した茶人を描く。

(大法輪閣 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  2. 2

    中居正広は「地雷を踏んだ」のか…フジテレビに色濃く残る“上納体質”六本木『港会』の存在

  3. 3

    「文春訂正」でフジテレビ大はしゃぎも…今田耕司、山里亮太、カンニング竹山ら“擁護”芸能人の行きつく先

  4. 4

    魅惑のEカップ・田中みな実がまんまる“美バスト”をまたまた披露!

  5. 5

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  1. 6

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  2. 7

    “天皇”日枝久氏しか知らない「ジャニーズ圧力」「メリーの激昂電話」 フジテレビは今こそ全容解明を

  3. 8

    入社式の仰天舞台裏 コネと忖度が横行するフジの末期症状

  4. 9

    ひっそりと存在消された NHK“車上不倫”人気アナカップル

  5. 10

    《フジが反転攻勢》《どうする文春!》中居正広問題の文春記事訂正に大はしゃぎの違和感…“直取材”対象はどこにいる