「アガワ家の危ない食卓」阿川佐和子著

公開日: 更新日:

 2015年に他界した父(作家の弘之氏)の口癖は「死ぬまであと何回飯が食えるかと思うと、一回たりとも不味いものは食いたくない」。

 死期が近づき、食べる力がほとんどなくなっても、父の頭の中では食べたいものが渦巻いていたという。そこで娘は、父が食べたいとリクエストしたものを病室に持ち込んだ。細く切った刺し身を2つ3つ食べた後、好物だったからと、見よう見まねで自作したトウモロコシの天ぷらを食べさせると、口から吐き出し一言、「不味い」。それが父からかけられた最期の言葉だった。

 そんな父に連れられ、家族全員で出向いた外食の思い出や、父がことのほか好物としていた母の作るかつお節弁当など、食をテーマにつづられる爆笑エッセー。

(新潮社 605円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か