「かさなりあう人へ」白石一文著

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「かさなりあう人へ」白石一文著

 スーパーの駐輪場で、箱根勇は突然「あなた」と声をかけられた。万引Gメンにつかまった女が勇を夫だと偽って、助けを求めたのだ。勇はとっさに女の嘘に合わせてその場を切り抜ける。

 その女は、以前、勇が別のスーパーで毛布を買ったとき、毛布を選んでくれた店員の野々宮志乃だった。その3日後に、勇は不眠症だったがよく眠れるようになったと礼を言い、結婚指輪をしていないことを確認して志乃を食事に誘ったのだ。そのときは志乃にぴしゃりと断られたのだが、その日は、志乃が自分がごちそうすると言い出した。

 不倫で離婚した男と、夫を亡くした女の心のふれあいを描く。

(祥伝社 1980円)

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