「映画館を再生します。」樋口智巳著

公開日: 更新日:

「映画館を再生します。」樋口智巳著

 著者は、北九州市小倉で祖父の代から続く映画館「小倉昭和館」の3代目館主。同館は、2022年8月、隣接する旦過市場を火元とする火事によって全焼してしまった。

 本書は、その復活までの477日を記録したドキュメント。

 十数年前、病に倒れた父に代わって3代目を引き継いだときから、経営状況は危機的だった。以来、地元の人に足を運んでもらえるように多くのイベントを仕掛けてきた。しかし、映画館は一夜で灰になり、先行きは全く見えず、まずは半年間見放題のシネマパスポートの返金を開始。そんな中、土地の所有者から再建案が示され、一筋の希望が見えてくる。ゆかりのある俳優や映画監督、作家らをはじめ、地元の人々の励ましに後押しされ、奇跡の復活を遂げるまでの道のりをつづる。 (文藝春秋 1320円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった