「昭和歌謡史」刑部芳則著

公開日: 更新日:

「昭和歌謡史」刑部芳則著

 昭和時代が生み出した文化のひとつ「歌謡曲」の歴史を詳述した音楽本。

 昭和以前から「はやり唄」は存在した。大正時代までのはやり唄は、演歌師と呼ばれる奏者が街角で歌って広め、その場で歌詞を書いた紙を販売。昭和初年にレコード産業が勃興すると、流行歌はレコードとして販売され、蓄音器や拡声器を通して普及した。その流行歌手の第1号が佐藤千夜子。最初のヒット曲は昭和3(1928)年に発売された「波浮の港」「鶯の夢」(作詞・野口雨情、作曲・中山晋平)で、10万枚(戦後の100万枚に相当)を超えた。

 以降、昭和63(88)年の南野陽子「秋からも、そばにいて」(作詞・小倉めぐみ、作曲・伊藤玉城)までを紹介。

 曲が生まれた背景や、その曲の時代における役割を解説する。

(中央公論新社 1155円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋