「家裁調査官・庵原かのん」乃南アサ著

公開日: 更新日:

「家裁調査官・庵原かのん」乃南アサ著

 福岡家庭裁判所の少年係調査官・かのんの仕事は、罪を犯した14~19歳の子が問題を起こした原因を探ること。保護者照会書や警察の調書を読み、少年の生育歴や家庭環境、生活態度を調べ、当人と面会、裁判官が審判を下す際の判断材料となる報告書をまとめる。

 ある日、万引した高校生・陽太朗と面会したかのんは、同席した母親の過干渉が気になるが、一度の面会ではなかなか踏み込んで話をすることができない。一方、自転車泥棒で捕まった15歳の貴久との面会では、母子家庭の困難な状況が浮き彫りになってくる。そんな中、警察から陽太朗が再び逮捕されたと連絡が入る。(「自転車泥棒」)

 罪を犯した少年少女の話に耳を傾ける家裁調査官の仕事を通し、社会のひずみを描き出す連作集。 (新潮社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態