「いえ」小野寺史宜著

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「いえ」小野寺史宜著

 スーパーに勤務する傑は、休日、大学3年の妹・若緒を近所の喫茶店に誘い出す。足に障害がある妹の就職活動の進捗状況が気になるのだが、なかなか切り出せない。若緒にケガをさせたのは傑の親友の大河だった。中学の頃から親しい大河は、運動も勉強も人並み以上で、傑の母親にも気に入られていた。大学生になって大河と交際を始めた若緒は、ドライブ中の事故の後遺症で足をひきずるようになったのだ。

 事故から1年が経ち、傑も大河と連絡を取らなくなってしまった。若緒の心のうちは分からないが、母親は今もときどき涙を流しており、父との喧嘩も絶えない。さらに若緒から数カ月前に大河とは別れたと聞き、傑のもやもやは増すばかりだ。

 妹の事故で狂った家族や友人との関係に悩む傑の葛藤を描く長編小説。 (祥伝社 902円)

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