バス、最後の砦

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「ドキュメント 北海道路線バス」椎橋俊之著

「ドキュメント 北海道路線バス」椎橋俊之著

 広大な北海道では昔からバス路線が重要な交通路になってきた。道内に張り巡らす鉄道には限りがある。国鉄バスをはじめとするバス路線は鉄道を補完する役割をになっていたのだ。

 しかし道路網の整備で鉄道の役割が縮小する。その始まりはすでに50年以上前。ローカル線を廃止し、バスで代替する方針が定められて重要度が一気に増したのだ。しかし、国鉄民営化と中曽根内閣時代に行政改革を旗印とした中央集権化が進み、地方経済の停滞と少子高齢化が北海道を直撃することになった。

 こうした背景を前に、北海道のバス事情がどうなっているのか。本書は元自動車雑誌編集者のライターによる詳細なドキュメント。ルポ形式のノンフィクション部分と政治経済事情との関係を説く論説部分が融合され、実に厚みのある好著になっている。東川町で実施中の自動運転バスの実証実験など、北海道はバスを含む自動車社会の未来をうらなう地にもなりつつある。運転手不足に悩むバス事業。バス運転手にリスペクトをと本書は最後に呼びかけている。

(筑摩書房 1980円)

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