「『酔っ払い』たちの日本近代」右田裕規氏

公開日: 更新日:

 41年5月の読売新聞には、東京市内13駅の終電客を10日間にわたって観察したところ、酒気帯び者が7割弱にも上った調査データが掲載されている。どれだけ飲んでも夜のうちに家に帰り、翌日の仕事に備えようとする姿は、現代のサラリーマンに通じるものがある。

「やがて都市では、いくら飲んでも理性を失わないことが重要視されるようになり、ロールモデルとして財界の大物らが注目されました。接待の場ではお酒が弱いことはマイナスだとして営業担当者などは酒を飲む訓練をさせられたこともあったようです」

 本書では、ほかにも社用族や日本の飲酒文化の主役が米から麦に交代していく過程も考察されている。

 酒は長い歴史の中で人々の余暇や労働に果たしてきた役割が大きいが、最近は非飲酒者が増加してきた。

「酒には普段と違う気分になることで会社などでは上下関係を気にせず集団の結束を強める力があると思うのですが、今は飲まない人が増えてきて残念な気もします」

(KADOKAWA 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る