「猿」京極夏彦著
「猿」京極夏彦著
祐美の同居人で休職中の隆顕が、天井を見て「猿がいる」と言いだした。祐美は相手にせず、外出した。
先月、またいとこの棚橋芽衣から岡山の祢山村に住む曽祖母の訃報が届いた。その後、弁護士の依頼で曽祖母の家を確認しに行くことになり、ネットで検索したが「祢山村」は見つからなかった。駅でめまいを起こしたとき、祐美は猿を見たような気がした。
芽衣の話では、祢山村は全員が65歳以上で、人口は80人ほど。昭和以前から人口も年齢構成も変わらず、過去帳もなく、墓もない。村人は老いてくるとその村に戻り、死期が迫ると縁者のもとに帰るのではないかと芽衣は言う。
不条理な出来事が生む「恐怖」を描いた小説。 (KADOKAWA 2200円)


















