19世紀に活躍した著者の短編幻想小説集「黄金仮面の王」マルセル・シュオッブ著 大濱甫ほか訳

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「黄金仮面の王」マルセル・シュオッブ著 大濱甫ほか訳

 黄金の仮面をつけた王がこの都を支配するようになって長い歳月が経った。歴代の王の顔を見たものはない。

 王を取り巻く神官や道化、そして女たちもそれぞれ仮面をかぶっている。王の一族は仮面をつけた人間しか見たことがないのだ。

 ある日、顔をあらわにした乞食が王に面会を求め宮殿を訪ねてくる。周囲に止められるが王は面会を許す。国々を巡歴してきた乞食は目が見えないが、居並ぶ道化や神官、女たちの心の内を暴き、王に、彼らが仮面の下では別の顔をしていると忠告する。

 その夜、眠れないまま宮殿を抜け出した王は、森で糸をつむぐ乙女に出会う。王が口づけしようと仮面をはずすと娘は恐怖の叫び声をあげて逃げ去ってしまう。(表題作)

 19世紀に活躍し多くの作家に影響を与えた著者の短編幻想小説集。 (河出書房新社 1430円)

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