主演作ジワリ評価 「日本一ヅラ似合う」中井貴一が本領発揮

公開日: 更新日:

 劇場のあちこちから観客のすすり泣く声が…。浅田次郎原作の時代劇映画「柘榴坂の仇討」の評判がすこぶるいい。公開日(9月20日)から現在までの興行収入は3億4000万円。

「平日の観客動員数の健闘が示すように、シニア層からの支持が高い作品。最終的にヒット作の目安とされる10億円には届かないかもしれませんが、細く長くしぶとい興行を続けていくのではないか」(映画ジャーナリストの大高宏雄氏)

 大老の警護に当たりながら、桜田門外の変でただひとり生き残った彦根藩士の物語。ひと言でいうと、地味な映画だ。2時間の上映時間、時代劇の大きな見せ場である殺陣はほとんどないし、クライマックスは柘榴坂上で主君を救えなかった武士と、その仇である襲撃犯の2人の男が対峙するシーンである。

 幕末から明治という時代の変革期に武士の矜持を持ち続ける男たちを丹念に描く。お涙頂戴のくさい演出もなければ、目が離せないケレン味たっぷりのシーンもなし。それでも、ラストまで席を立てないのは、出演する役者の演技、実力がなせる業だろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」