「不良番長」内藤誠監督が語る俳優・梅宮辰夫との濃密な現場

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「俳優で世話になったのはなんといっても辰ちゃん」と梅宮辰夫(77)を挙げたのは、東映「不良番長」シリーズなどで知られる内藤誠監督(79)。梅宮は東映ニューフェイス5期生で、同シリーズは梅宮の代表作である。

 主演俳優と監督として、初めて辰ちゃんと現場をともにしたのは映画「不良番長 送り狼」(1969年)です。

 僕は東映の社員で、助監督上がり。劇場公開作品のメガホンは初めてで、意気込むといいますか、とても緊張していたんですが、辰ちゃんは「よぉ!」と現場入りから気さくに、肩ひじ張らずに接してくれました。

 監督と俳優というのは、現場では他のスタッフや俳優がいて、一線が引かれている。ところが辰ちゃんは、僕を助監督時代から知っていてくれたこともあって、そういうところを簡単に飛び越えてくれたんです。

 当時すでに、年間5本くらい主演していたスターでしたが、新人監督である僕の演出にも、「そうか、分かった」と一切口を挟むことなく、やってくれるんです。それが、どれほどありがたかったか。

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