松元ヒロ マルセ太郎さんから学んだ「忖度しない」大切さ

公開日: 更新日:

 それを伝えたくて楽屋へお邪魔したら、以前のことを覚えてらして、そのまま渋谷のんべい横丁でごちそうになりました。それからですよ、暇さえあればマルセさんの舞台に顔を出し、時に手伝うようになったのは。以来、口にこそ出しませんが、弟子のように可愛がってくれました。

■忖度しないで発言しないと笑いを引き出せない

 1988年、昭和天皇がご病気で世の中は歌舞音曲自粛ムード。それをきっかけに仲間とコントユニット「ザ・ニュースペーパー」を結成したところ、時事ネタをメーンに替え歌やパントマイムを加えた構成がウケて、テレビにも少しずつ出るようになったのです。ただ、どうしてもお客さんに合わせたネタをやるのが納得できなかった。昨日は労組の集まりで革新系だったのに、今日は財界関係で保守だったりと、仕事だからしょうがないとはいえ、忸怩たる思いは募る一方でした。

 それには理由があってマルセさんが常々、「思想のない芸、立場のはっきりしない芸は見たくない」とおっしゃっていたのが胸に強く響いていたからです。そして葛藤の末、「信念をはっきり定め、周囲に忖度しないで発言しないと、観客の心の底からの笑いを引き出せない」と気が付きました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督