関根監督インタビュー「太陽の塔」が発信する大きな疑問符
――アジアや日本でも始まっているムーブメントの目指すものとは。
「生命性を取り戻す。根源的なところからのベクトルを見つめ直す。そういう本来の欲求が強くなっているように思います。震災後、僕は被災地を訪れての映像活動やチェルノブイリの短編を撮ったりしてきたのですが、安全神話は完全に崩壊しています。じゃあどうするか。分からないけれども、分からないなりに分かろうとすることはできる。今回は各分野の専門家やアーティスト、クリエーターの言葉、太陽の塔のルーツ、そして同時期に制作された『明日の神話』にカメラを向けながら、それら一つ一つがアートピースで、ピラミッドのような太陽の塔と現代、これからを読み解こうとしているのを感じました」
(聞き手・長昭彦)
▽せきね・こうさい 1976年生まれ。父親は現代美術家の関根伸夫氏。安室奈美恵、AKB48のミュージックビデオや資生堂、TOYOTA、アディダスなどのCMを手がける一方で、短編映画などを発表し、インディペンデントな制作活動も行っている。映画は9月、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田などで公開される。