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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

香港デモに思う…非正規雇用でいいから達者な訳者をつけろ

公開日: 更新日:

 それより良かったのは、ついに香港の行政長官が、住民たちの体を張った占拠デモに屈し、逃亡犯条令について「改正案は死んだ。それは完全な失敗だった」と宣言したことだ。住民たちの自由の叫びが、行政府権力に打ち勝った瞬間だった。住民たちの中には絶望から抗議の自殺をする人たちも続出して、どうなってしまうのか心配だったが、住民が勝利して良かった。価値あるデモンストレーションだったと思う(沖縄の辺野古基地の反対デモもここまでになると、日本政府はどうするだろうとも思ったが……)。

 中国本土の習政府はこの事態にかなり不快でイラついているはずだ。北京、上海、本土10億の人民には果たしてどんなふうにこのニュースが伝えられているのか。ネットは封殺されていないのか。独裁政府はこんな民主デモが本土に飛び火することを、実は最も恐れてるのだろうが。

 世界のニュースは香港の事態をどう報じているのか、CNNやBBCも見てみたら、両方ともブレークニュースで特番を組んでキャスターたちも興奮して伝えていた。

 まあ、それはそれで良かったんだけど、不満だったのは、どっちのチャンネルも日本語同時通訳のド下手なこと。しかも、同時どころじゃなくて、言葉も遅れ遅れでしどろもどろで意味不明、しゃべり方も文脈になってなくて聞き苦しかった。もうずっと以前からだ。あの日本支局は、もっと上手な通訳者を雇えないのか。非正規雇用でいいから、達者な訳者ぐらい見つけたらどうなんだ。人件費がギリギリなのか?あれじゃ、香港人たちのホットな民主主義は、ひとつも伝わってこないぞ。

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