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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

生活補償金はどうなんだ? “都民ファースト”なんだろうが

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 そんな時、あっという間に延期決定した東京の運動会、いや、オリンピック。「戦争」以外で五輪史上初めての事態と騒いでいるが、今度だって「ウイルス戦争」だろうが。戦争中に平和の祭典などお呼びじゃないし、もとより平和の祭りなんぞで戦争は止められないのだ。“延びたにしろゴールが決まって良かった”と都知事は言っていたが、しかし、延期でまたカネがかかってしまうのだ。

 組織委員会が資金不足になった時は東京都が補填すると決まっている。施設の維持管理だ、終わった後でマンションとして分譲する晴海の選手村への延期補償代だとそんなことにまた何千億円かかることやらだ。運動会の総予算は1兆4000億円ほどと、東京都はしれっと言っていた。当初より膨らみまくってるところに、この始末だ。こんな運動会に興味が湧かない都民たち、例えば、我らもその一人だが、何のために税金を払っているのか、ますます分からなくなった。何が追加費用だ。何が「都民の皆さんに理解を求めたい」だ。

 コロナのために閉じてしまった駅前通りの飲食店があちこちにある。「中止して」と声も上げられないまま閉じてしまった店舗たちに、運動会の予算から生活補償金を払うつもりはあるのかないのか、都知事はその会見こそ開くべきだ。どうなんだ? 都民ファーストなんだろが。

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