芸人とはお客が言いたくても言えないことを代弁する存在

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 談志は自分が認めた芸人に対しては、時に最大級の賛辞を贈る。

「その日のアンケート用紙には僕のことなど誰も触れません。皆が、『談志は凄い』『家元に感動!』といった感想ばかり。そのことを志の輔師匠に話したら、『うちの師匠はそうやって人のファンを自分のファンにしちゃうんだよね』と笑ってました」

 以後、談志はヒロを立川流落語会に出演させたり、折に触れてアドバイスをするなど後ろ盾となる。

「こんなことも言われました。『芸人というのは、お客が言いたくても言えないことを代弁してくれる存在なんだ。おまえはそれをやっている。だから俺はおまえを芸人として認める』と。それからライブで好きなことを言えるようになりました。今の僕があるのは家元のおかげです」

 ヒロは目を潤ませた。(つづく)

(聞き手・吉川潮

▽まつもと・ひろ 1952年、鹿児島県出身。鹿児島実業高校、法政大を卒業後、パントマイマーとなり全国を巡業。その後、コミックバンド「笑パーティー」を結成。85年「お笑いスター誕生!!」で優勝。88年、コント集団「ザ・ニュースペーパー」の結成に参加。ニュースに合わせて即興でパントマイムをつける「マイムニュース」や歴代総理大臣の物まねなどが持ちネタ。98年11月に独立し、ピン芸人になる。

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