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一般社団法人 日本健康経営専門医機構

医師を中心に医療従事者が健康経営を体系的に学び、企業に専門的支援を行う一般社団法人。健康経営を経営戦略として根付かせ、企業価値の向上と持続的成長を支援し、社会全体の健康づくりに寄与することを目的として活動している。代表理事は東貴大医師。この連載は、賛同医師による各分野の医療の悩みをリレー形式で紹介。 <https://jhba.org/> 社団法人日本健康経営専門医機構

「昔の写真と顔が違う?」その変化、年のせいだけではないかも…「末端巨大症」のサインとは?

公開日: 更新日:

「なんだか最近、指輪がきつくなってきたな」。そう呟くのは、40代男性のDさん。数年前から結婚指輪や靴が窮屈に感じていたが、「太ったか、むくんでいるだけ」と深刻には考えていなかった。

 Dさんの体の変化は手足のサイズだけでなく、顔つきにも。額や顎が以前より前に出てきたように感じたが、「年のせい」と軽く考えた。そして、夜中のいびき、睡眠時無呼吸、高血圧も現れ始めたが、これは「ストレスによる影響」と自己判断していたのです。

 ある日、妻から「昔と比べて本当に顔つきが変わった。指も太くなったし、病院で診てもらった方がいい」と真剣に指摘されたことで、意識したDさん。昔の写真と見比べ、変化は明らかだと改めて気づき、不安を覚え始めました。妻の勧めで総合病院を受診したところ、内分泌内科を紹介されました。

 精密検査の結果、下垂体腫瘍による成長ホルモンの過剰分泌が判明し、末端巨大症と診断。Dさんは呆然としましたが、長年の不調の原因が病気だったと納得すると同時に、さまざま現れた体の変化に対して軽く考え続けたことを後悔したと振り返ります。担当医は、成長ホルモン過剰が長期間続いたことによる高血圧や心臓への負担を指摘し、放置すれば心不全や脳血管障害など命に関わる合併症リスクが高いと説明し、Dさんは下垂体腫瘍を摘出する手術を決意。手術は成功し、成長ホルモン値は正常化に向かいました。しかし、長年かけて変化した骨格は元に戻りませんでした。

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