著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

新宿梁山泊「唐版・犬狼都市」鮮烈なラストシーンに震撼

公開日: 更新日:

 演劇の町・下北沢では小田急線の線路跡地を利用したさまざまなイベントが展開されている。線路街空き地では演劇の町を築いた「本多劇場グループ」と連携し、新宿梁山泊が「唐版・犬狼都市」を上演中だ。唐十郎が作家・澁澤龍彦の「犬狼都市・キュノポリス」に想を得て書いた作品で1979年初演。

 この作品には、いわく因縁がある。

 アングラ演劇の旗手として絶大な人気を誇った唐十郎と状況劇場が「公序良俗に反する」として、根城にしていた花園神社を追われたのが1968年。翌69年1月3日には新宿中央公園での無許可テント公演で機動隊と衝突し唐は逮捕。その後、日本南下興行、バングラデシュ、レバノンなど海外公演を経て、再び新宿西口に戻って上演したのが「唐版・犬狼都市」なのだ。

 冒頭、巨大な枕木を背負って登場する男(奥山ばらば)。彼はエジプト神話でオクシリンコス(鱗魚族)との闘いに敗れ、安住の地を追われた犬狼族だという。

 そこに現れる保健所職員の田口(宮原奨伍)と彼の同僚たち。彼らが探すのはファラダなる「しゃべる犬」だ。それを機に、調教師(八代定治)と弟子の十兵衛(オレノグラフィティ)、駅長(広島光)、駅員(松田洋治)、謎の女(水嶋カンナ)、田口の上司(趙博)、婦人警官(上久保慶子、赤松由美。ダブルキャストで19日から清水美帆子とえびねひさよ)ら、奇怪な登場人物が舞台でうごめき始める。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"