著者のコラム一覧
高倉文紀女優・男優評論家

札幌市生まれ。女優・男優評論家。Webサイト「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://tpranking.com/)、雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)などで女優や女性アイドルなどの取材・分析を手がけるほか、テレビ番組や週刊誌などにコメントを提供。インタビューしたことがある現役の女優は300人以上を数える。note個人クリエーターページ(https://note.com/tokyodiorama/)。

「怪演女優」松本まりかは21年前から才能を開花させていた

公開日: 更新日:

■東京のど真ん中で育った「非主流」

 松本まりかが「なかなか見つからなかった」のは、「東京の少女」だったことが理由のひとつにあるのではと思う。

 彼女が女優の世界に入った2000年代以降、日本映画ドラマに素朴なヒロイン像を描く作品が増え、地方出身の女優が求められるようになった。その流れは今も続き、広瀬すず(静岡)・浜辺美波(石川)・上白石萌音(鹿児島)らの地方出身女優が主演級に成長している。

 東京生まれの主演級女優も少なくないが、その多くは三多摩地区と呼ばれる都下や下町の出身者だ。それに対して、松本まりかは東京のど真ん中で育った。

 地方出身女優が素朴で可憐な桜の花だとすると、松本は紫色のクレマチスの花のように大人びていた。彼女の「非主流」の雰囲気にハマる役柄は、やや少なかった。

 しかし、30代になると、もはや出身地は関係ない。彼女が得意とする魔性の女を演じるにあたっては、素朴なタイプの主演女優と並ぶと対比にもなるし、都会的な存在感がむしろプラスに働いている。

 2021年は、松本まりかの真価が問われるだろう。「怪演女優」は、彼女のゴール地点ではない。幅広いタイプの女性を演じる主演級女優に飛躍することを期待したい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」