桧山珠美
著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

芸人コメンテーターは和ませ癒やし系より炎上誘発系に限る

公開日: 更新日:

 以前「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で「そんなわけがない芸人でも、情報番組からコメンテーターのオファーが来たら、身の程をわきまえず引き受けちゃう説」というのを検証していた。ハリウッドザコシショウやコウメ太夫らがその気になっていたのがおかしかった。

 それも無理はない。テレビにはつくだ煮になるくらい芸人コメンテーターがあふれていて、なんだか楽そうに稼いでいる(ように見える)。あわよくば自分もと思ってしまうのも、当然のことだ。

 そんな芸人コメンテーターに、世間の声は厳しく、彼らが少しでもエラそうなことを言おうものなら、SNSのコメント欄は瞬時に「おまえが言うな!」で埋まってしまうというほど。なぜ、かくも芸人コメンテーターは嫌われるのか。

 そもそも芸人コメンテーターといってもピンからキリまでいる。それをひとくくりにするのはいささか乱暴すぎる。乱暴ついでに彼らを大きく2つに分ければ、「毒にも薬にもならない和ませ癒やし系」と「一言モノ申す炎上誘発系」になる。

 前者は自分の番が回ってきたら二言三言、面白いことを言って場を和ませるのが役割と考えているタイプ。「ゴゴスマ」(TBS系)の友近や大久保佳代子、ますだおかだ岡田、ケンドーコバヤシあたりがこのタイプ。

カンニング竹山小池都知事にかみつく

 問題は後者。炎上上等で、いい悪いは別にして持論をまくし立てる。カンニング竹山やフット岩尾、ブラマヨ吉田。サラッと毒を吐く加減が絶妙だ。とくによく吠えるのが竹山で、17日「バイキングMORE」でも小池都知事を「この人は今までやれたことを何もやってない。去年と何も変わってない」「公約を一つもやってないからね」と徹底批判した。

 おぎやはぎ小木が「小池さん、フリップ芸やってるから」と笑いにしようと口を挟むも、「フリップ芸やってんだったらR-1出ろよって話ですよ」とにべもない。我慢も限界にきている都民にしてみれば拍手喝采、よくぞ言った! だ。「王様の耳はロバの耳」と叫ぶモノ申す系芸人コメンテーターの方がましだ。

爆笑問題・太田は尾身会長にきっちり迫った

 14日の「芸人記者ニュースマン~ニュースのギモンを深ぼり」(フジテレビ系)では爆笑問題太田光新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長に直撃。「番組に出たのは太田さんが感染症に対して個人の好みとか思いじゃなくてしっかり全体について発言しているから」と理由を説明。そんな尾身会長に「船頭多過ぎ。政府と医師会と事前に話し合って意見をまとめるべき」と進言していた。

 こういう時の太田は頼もしい。かつての「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」(日本テレビ系)を思わせる骨のある番組だった。

 芸人を出すなら炎上誘発系に限る。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”