「あの助監は絶対監督になれない」なんて賭けたりして…

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 シカシこういうのにも馴れてくると、それはそれで、面白くはありましたな。あの助監は絶対監督にはなれない。あの助監の方が、まだましか、なんて賭けたりして。先輩のイビリなんてのにも馴染んできて、三年程過ぎた頃、まあとにかく色々ありまして、結局止める事に相成りまして、もうお先真っ暗。勿論健サンには御相談申し上げて、了解戴き、「俳優止めるのか」「イエ、俳優は続けたいです」と。じゃシッカリやれ! と励まされまして、アタシのドロ船は河の出口から海を見てましたなあ。

 この文を綴りながら、健サンの顔が浮かんで仕様がない。何か一ツだけでも御恩返しが出来たとすれば、二十何年か前に市川崑監督の「四十七人の刺客」で、何と二十三、四年振りに健サン演ずる処の大石内蔵助の下僕の役、瀬尾孫左衛門という役を頂戴致しまして。漸く共演が叶いまして、まあコノ共演なんて言葉も面映ゆいのでございますが、ともかくも御一緒する事になり、朝一番に東宝のスタジオに行き、健サン来られるのを、今や遅しと。サア、ドキドキするし、しかしアタシも仕事で来たのだからと、仕方ないよなあと、テメーに云い聞かせて、ご到着をお待ちしておりました。

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