「あの助監は絶対監督になれない」なんて賭けたりして…

公開日: 更新日:

 シカシこういうのにも馴れてくると、それはそれで、面白くはありましたな。あの助監は絶対監督にはなれない。あの助監の方が、まだましか、なんて賭けたりして。先輩のイビリなんてのにも馴染んできて、三年程過ぎた頃、まあとにかく色々ありまして、結局止める事に相成りまして、もうお先真っ暗。勿論健サンには御相談申し上げて、了解戴き、「俳優止めるのか」「イエ、俳優は続けたいです」と。じゃシッカリやれ! と励まされまして、アタシのドロ船は河の出口から海を見てましたなあ。

 この文を綴りながら、健サンの顔が浮かんで仕様がない。何か一ツだけでも御恩返しが出来たとすれば、二十何年か前に市川崑監督の「四十七人の刺客」で、何と二十三、四年振りに健サン演ずる処の大石内蔵助の下僕の役、瀬尾孫左衛門という役を頂戴致しまして。漸く共演が叶いまして、まあコノ共演なんて言葉も面映ゆいのでございますが、ともかくも御一緒する事になり、朝一番に東宝のスタジオに行き、健サン来られるのを、今や遅しと。サア、ドキドキするし、しかしアタシも仕事で来たのだからと、仕方ないよなあと、テメーに云い聞かせて、ご到着をお待ちしておりました。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???