著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

江戸の庶民が本当に目の前にいるかのような“志ん朝ワールド”を舞台袖で体感

公開日: 更新日:

 番組が終わり、局内の喫茶室にいるとプロデューサーが直接番組とは関係のない若いディレクターを連れてきて「この男、昨日から志ん朝師匠が来られるいうんで舞い上がってまして(写真を)一枚撮っていただけないか言うとるんですが、よろしいでしょうか?」。横で恐縮しながら「よろしくお願いします!」と体を90度に曲げて挨拶をしている。

 志ん朝師匠は「私でよければ」とガチガチに緊張している彼に寄り添い「こんなかっこう(ジャケット)でいいのかな? もっとも着物にしてくれって言われても今日は持ってないんだけど」と満面の笑みを浮かべて写真に納まる。学生時代から高座に通っていたと言うと「そうですか、うれしいですね。これが女子学生ならなおうれしいけど」などと冗談も交えつつ「若い方が寄席に足を運んでくださるのはありがたいですね。まだまだ頑張んなきゃいけないなと思いますね。これからも見てやってください」と握手をされました。

 彼を見送ると「私は大阪好きでしてね。若いころは親父(古今亭志ん生師匠)のお供で来てましたけど、なんかいいですね大阪という町は、都会なんだけど東京の下町とはまた違う風情があって、空気感ていうんですかね」と話されて、カメラを片手に大阪の街を歩き、時には銭湯にも行かれると伺い、東京の落語家さん、それも大看板の志ん朝師匠が大阪をこよなく気に入ってくださっていたことがうれしかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束