著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

田村正和、田中邦衛…大物たちが次々に旅立った2021年を振り返る

公開日: 更新日:

 泣いても笑っても今年もあと1週間。テレビでもこの一年を振り返る特集をやっていて早くも店じまいモードだ。つくづく思うのは今年はとくにテレビの隆盛に一役買った大物が亡くなったということ。感謝と敬意を表して振り返ってみたい。

■「四角い仁鶴が」の関西の大御所

 まずは大阪人として個人的な思い入れの強い関西の大御所から。「四角い仁鶴がまあーるくおさめまっせー」でおなじみの笑福亭仁鶴(8月17日没、84歳)。「ヤングおー!おー!」や「仁鶴・きよしのただいま恋愛中」など若者番組のMCで人気だった。「ワイドナショー」で東野幸治が「吉本興業は仁鶴師匠が頑張ったおかげで大きくなった恩人のような人」と称し、松本人志も「芸人さんで初めてリンカーンに乗った人じゃなかったかな」。

 さらに吉本新喜劇のチャーリー浜(4月18日没、78歳)。トニー谷を彷彿させるいかにもうさんくさい風貌で「ごめんくさい」「君たちがいて僕がいる」「じゃあ~りませんか」など鉄板ギャグで幅広い層に人気だった。

 漫才からは「敏江・玲児」の正司敏江(9月18日没、80歳)。夫の浮気が原因で離婚した後も夫婦漫才をやり続けたのもすごいが、ネタにチクチク夫の女グセの悪さや離婚話を入れ込むドキュメンタリーのようなすさまじさに加え、ツッコミの玲児がボケの敏江の頭を思いっきり叩くドツキ漫才は迫力満点だった。

ホームドラマの大家・橋田寿賀子

 ドラマ界。「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」の脚本家でホームドラマの大家・橋田寿賀子(4月4日没、95歳)、レナウン「ワンサカ娘」や明治製菓「チェルシー」などのCMソングから都はるみ「北の宿から」の作曲家で、「寺内貫太郎一家」の頑固おやじのイメージが強い小林亜星(5月30日没、88歳)も。

 九重佑三子主演「コメットさん」がお手伝いさんとして入る家のおかあさん役だった坂本スミ子(1月23日没、84歳)。おとうさん役は伊丹十三だったっけ。「北の国から」の黒板五郎・田中邦衛(3月24日没、88歳)、「砂の器」「くれない族の反乱」「うちの子にかぎって…」「パパとなっちゃん」「古畑任三郎」あまりにも出演作が多すぎて書ききれない田村正和(4月3日没、77歳)。

鬼平の中村吉右衛門

 そして、アクション俳優といえばこの人、千葉真一(8月19日没、82歳)。

 声優の森山周一郎(2月8日没、86歳)、女優の李麗仙(6月22日没、79歳)、先月は歌舞伎俳優の中村吉右衛門(28日没、77歳)。「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵はこの人しか考えられない。色気があって粋でいなせで素晴らしかった。

 皆々さま。どうぞ安らかに。 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い