著者のコラム一覧
立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)「NHK 日本的メディアの内幕」など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」に出演中。

Netflix版「新聞記者」批判騒動 描かれるディテールこそが報道とは何かを教えてくれる

公開日: 更新日:

■「映画の全てが実話か?」

 これらは全くの事実なのか? 「インサイダー」でアル・パチーノが演じたローウェル・バーグマンに「映画の全てが実話か?」と問うと、「否、あれは映画だから」と否定した。映画として視聴者にアピールするために一定のフィクションが入るのは社会派と評される映画でも許されるという理解だ。しかし、物語の大筋は事実をもとに作られている。それゆえに描かれるディテールが大学の授業で使われる。例えば、「大統領の陰謀」で捜査関係者に電話で情報の確認をしようとして断られる。記者は、「今から10数える。記事が間違っていれば途中で電話を切ってくれ」と頼む。そして10まで数え終わってから電話は切れる。そして記事が出る。

「インサイダー」では、テレビ局上層部からの圧力で番組が潰される。そこでバーグマンはライバルのニューヨーク・タイムズ(NYT)紙に内幕情報を提供する。条件は1面トップに出すこと。NYTの記者は「へい、NYTだぞ」と答える。紙面を第三者の希望で決められないという話だ。NYT記者は「かけなおしてくれ」と伝えて編集幹部と相談。かけなおしたバーグマンに、「1面トップで行く。論説も書く」と伝える。その記事が世論を動かし番組を復活させる。

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