人気落語家 柳家さん喬に学ぶ“笑い”の流儀…「落語でも間が大事。間は呼吸です」

公開日: 更新日:

分裂騒動では「自ら協会を出る!」と

 6代目三遊亭円生の起こした落語協会分裂騒動の際に小さんは「自ら協会を出る!」と円生に伝え、さん喬はこれを耳にしていったんは喜んだ。小さんの一言は当時一門だけでも興行が打てるほど最大勢力だったことの裏返し。先代入船亭扇橋、小満ん、小三治ら小さん山脈、他門に稽古をつけてもらうことに寛容だったため古今亭の噺は先代円菊らから噺家としての気概、了見とともに学んでいく。

■テレビ嫌いのレッテルの真相

 時あたかもテレビ全盛時代、番組を持ちリポーターとなって売れに売れる噺家が続出した。「誰だって売れて生活もよくなりたい」「テレビに出て人気者にならねば」という気持ちがあったと正直に告白する。しかし「『さん喬は、テレビに出ることを嫌っている』ってレッテルを貼られたんです。『オファーがないだけだよ』って話なのですが……」と韜晦する。

 その一方で「先代の林家三平師匠という超人気タレントがいてくださったおかげで、世間さまがいまだに爆笑が取れる芸人=落語家として記憶にとどめてくださっています」「落語という芸を後世に伝えていく大きな連結器となってくれた」と感謝するのはまさにさん喬の了見であり人であろう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした