脚本家バカリズムの神髄とは? 次クールは日テレ獲得、“クドカン超え”争奪戦のウラ側

公開日: 更新日:

 そのギャラは、「人気脚本家と同等の1本200万円、キャスティングも本人の意向を最優先という条件」と一部メディアでは報じられているが、もともとコント系芸人は、脚本の好手が多いといわれる中、“クドカン(宮藤官九郎)超えの才能”と評されるバカリズム脚本はどこがすごいのか。

 お笑い研究家の鈴木旭氏が解説する。

「バカリズムさん脚本の特徴は、独特のシステムと自然でユニークな会話にあると思います。それはピンネタでも同じです。例えば『トツギーノ』というフリップネタでは、“朝起きーノ”“歯磨きーノ”と、ひたすら“◯◯ーノ”の口調で展開し、特定のキャラクターに微妙な変化をつけつつ、オチである“トツギーノ”のタイミングを外したりして笑わせます。その世界特有のルールを前提として展開をつくったり崩したりするのは、『素敵な選TAXI』や『ブラッシュアップライフ』でも共通しているところです」

 さらに、その“独自の世界観”を支えるのは、自然な会話だとこう続けた。

「会話についても、自分が出る側として“自然じゃない”“サブいからこれ言いたくない”と感じたことがあるから、『そのストレスを与えたくない』とご本人がテレビでおっしゃっていました。それはピンのコントでも同じで、しっかりと架空の相手が何を言っているかを細やかに意識してつくられているなと感じます。はからずもお笑いのネタはドラマ脚本の武器になり、基礎にもなっていたのではないでしょうか」(鈴木氏)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が