「時代に挑んだ男」加納典明(30)「東京で1番を取る」と上京、二十歳で杵島隆先生の助手になった
増田「あの時代だったら徒弟みたいなものですものね」
加納「うん」
増田「厳しかったんじゃないですか」
加納「厳しかったね。でも楽しかったよ」
増田「僕も新聞社時代に経験してますが、結局、現在のようにゆるやかで合理的な教え方より徒弟制度のほうが速いんですよね」
加納「そう。そして深い」
増田「技術だけじゃなく哲学まで教えられますからね」
加納「その部分も大切なんだよ。いやその部分のほうが大切なんだ、クリエイターには。感性の部分が。将来的にはそれが糧になる」
増田「技術と哲学、両方を体に刻み込むと」
加納「小川先生はあまりペラペラ喋らないけどね、仕事のなかで教えられた。例えば茶碗1つ撮るのにどうしたら1番よく見えるかとか。茶碗も色々あるわけですから、そういうそのものの見方とか、それに対するいろんな技術的なアプローチの仕方とか」
増田「光画堂にはどれくらいおられたんですか」