「時代に挑んだ男」加納典明(30)「東京で1番を取る」と上京、二十歳で杵島隆先生の助手になった
※杵島隆(きじまたかし):写真家。1920年アメリカ生まれ。日大芸術学部映画学科卒。1943年に海軍予備学生に志願し、特攻隊の待機中に終戦。戦後、広島や長崎の惨状を撮影するなどして注目され、植田正治に師事。1956年にキジマスタジオを設立し、多くの仕事に携わる。1991年、勲四等瑞宝章。2011年逝去。
※秋山庄太郎(あきやましょうたろう):写真家。1920年東京神田生まれ。早大商学部卒。近代映画社写真部などを経てフリーランスとなり、二科会写真部の創立者の1人となる。日本写真専門学院校長、日本広告写真家協会会長などを歴任して、とくに女性写真で有名。1993年、勲四等旭日小綬章。2003年逝去。
増田「水を得た魚だったわけですね。やはり才能があったのでしょう」
加納「そうかもしれない。手応えがあった」
増田「杵島先生の助手は何年くらい?」
加納「1年半か2年やった。そして21歳でフリーになった。仕事なんかないんだけど『今日からフリーランスになりました』っていう感じで。食えやしないんだけどね」