著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

立場が逆転した境い目…ロンブーが重い屋号を外して導き出す2人だけの「正解」

公開日: 更新日:

 ところが、亮が司会をこなせなかったことで2人の立場は逆転していく。当時は「司会=ツッコミ」の役割だったが、ディレクターから「サッカーで言うと、フォワードとキーパー両方やる感じ」と言われ、ボケであるはずの淳が進行も担うようになった。

 淳は学生時代からクラスを自分主導で回すために学級委員を務めたり、不良たちに一目置かれるためにたまり場での回し役を引き受けたりする「生粋の進行屋」(テレビ東京系「あちこちオードリー」21年6月2日)。その才能はテレビでも発揮された。けれど、もし過去に戻れるなら「亮に司会を任せたかった」(「耳の穴かっぽじって聞け!」=前出)と淳は言う。それを境にコンビのバランスが崩れ始めたからだ。亮は淳に遠慮し始め、「申し訳ない」とよく言うようになったという。

 そして淳は「亮さんのいじり方の正解を俺まだ叩き出せてない」(同前)と忸怩たる思いを告白する。前述のディレクターは亮の役割を「サポーター」だと言ったという。「亮が笑ってるか否かをおまえは指針にしろ」と。事実、淳は「お笑いのポジションで『笑顔』っていうのを作ったのはあの人の革命」(「あちこちオードリー」=前出)と評価していた。

 解散し「ロンドンブーツ」という重い屋号を外してから、次第に元の淳と亮の関係に戻ってきているという。彼らならこの2人でしかない関係性の正解を導き出せるに違いない。

【連載】今週グサッときた名言珍言

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情