「上方漫才の至宝」いとし・こいしの2人から伺った「漫才の鉄則」
NHKのラジオ番組に出演できるようになった昭和20年代。「全国ネットのラジオで失敗するわけにいかへん!」と本番前に何度も劇場でネタをかけていたそうですが、演じるたびに微妙に反応が違い「どれが一番エエのか、わからんようになりますねん。そういうことが何度か続いたんで、迷うぐらいなら本番は一発勝負でいこうということになったわけです」。その結果、新ネタの漫才を演じながら、発見の連続で逆に楽しかったとおっしゃっていました。
ウケるかどうかのリスクには「そこは自分らの感覚を信用するしかおまへんわな。その代わり、しっかり稽古はしましたで~!」と笑っておられました。70代になられても果敢に新ネタに挑戦されていた師匠に「今日も一発勝負ですか?」と伺うと「もちろん! けど、ボケてきとるさかいに覚えるだけで必死やわ」とそこもネタにして笑わせてくれました。
私は2000年のミレニアムネタを1本書かせていただきましたが、本番前の舞台袖で「ネタは大丈夫だったでしょうか?」と伺うと、あの大師匠が「面白かったですよ。ありがとうございました。ただ、オチの言い回しだけ変えたんでご了承ください」と頭を下げられ、こちらが驚きました。
台本に敬意を払い、ネタを大切にされ、上品さも失わない、いとし・こいし師匠。今の若手たちの漫才をどう見てらっしゃるのか、ぜひ伺ってみたいところです。




















