骨を溶かしやがて脳に達し…「大人の中耳炎」はこんなに怖い

公開日: 更新日:

 子供の頃、何度も中耳炎を起こした人にリスクが高い病気が慢性中耳炎の一種、「真珠腫性中耳炎」だ。放置すると、顔面神経マヒで顔が歪んだり、最悪な場合、死に至る脳膿瘍や髄膜炎といった重篤な合併症を引き起こすこともある。
「真珠腫性中耳炎は、先天性と後天性があり、後天性は主に成人に発症します」(東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講座・小島博己教授)

 耳は、外側(空気に接する側)から外耳、中耳、内耳と分かれる。外耳と中耳の間にある鼓膜の外耳側はごく薄い皮膚で、中耳側から「粘膜」になる。

「子供はたいてい中耳炎を起こすものですが、繰り返すと、中耳の粘膜が損傷し、蜂の巣のような構造の『乳突蜂巣』の発育が阻害されます。すると鼓膜の一部が中耳側に陥没して、ポケット状のものができることがあるのです」

 鼓膜の“ポケット”に耳あかがたまり、白い塊になったのが「真珠腫」。骨を溶かす作用があり、周囲の骨や耳小骨を破壊し、大きくなっていく。

「難聴やめまい、耳だれが生じ、さらに骨の破壊が進んで顔面神経や脳に到達すると、顔面神経マヒや髄膜炎、脳膿瘍などを引き起こします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?