「睡眠時無呼吸症候群」で有効のはずが “ASVマスク”の危険度

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 しかし最近は、慢性心不全を持つ患者の中枢性睡眠時無呼吸には、「ASV(アダプティブ・サーブ・ベンチレーション)」という自動調節型呼吸補助機器を使った治療法が有効だといわれている。

 同じようにマスクを装着し、コンピューターで患者の呼吸のパターンや量を予測して適切な圧力をかけ、CPAPより自然に不足分を補う。これは心不全そのものの治療にも使用されている。

■心血管死が増えるとの解析結果が

 今回、死亡リスクの上昇を指摘されたのはこのASV。今年9月、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(オンライン版)」に、ASV使用によって心血管死が増えるという国際的大規模臨床試験の最終解析結果が発表されたのだ。

 同試験は08年から中枢型を主体とする睡眠時呼吸障害を合併する重症の慢性心不全の患者(左室駆出率45%以下の収縮機能不全)1325人を対象に実施された。長期における予後改善が期待されていたのだが、解析の結果、ASVを使用したグループの心血管死亡率は10%で、ASVを使用しないグループの7.5%に比べて有意に多いことがわかった。

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