テストや検査で異常でも 医者の「認知症診断」増える誤診

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 認知症は、記憶障害、日付や場所の間違い、家事ができない、道が分からないなどの「中核症状」と、うつ状態、怒りっぽさ、妄想、幻覚などの「周辺症状」が特徴だ。

 認知症の診断では、問診で中核症状や周辺症状をチェックし、MRIやCTの画像検査、長谷川式など認知症診断のためのテストが行われる。しかし、これらだけで単純に認知症を判断しようとすると、重要な「大原則」が抜け落ちる。

「ほとんどの認知症は、周囲がはっきり分からないうちに症状が顔を出し、非常にゆっくりしたスピードで進行します。本人や周囲が困る症状として少しずつ顕在化する。これが大原則です」

 たとえ、中核症状や周辺症状と似た症状があり、画像検査や長谷川式テストで異常となっても、「大原則」から外れていれば認知症ではないのだ。

「Aさんの場合は、突然症状が出ていた。トイレ以外の場所での排泄は重度の認知症で見られますが、突然、出てくることはあり得ません」

 Bさんの場合も、ある時期から急に物忘れが目立つようになっている。さらに倦怠感や食欲低下も、認知症の初期や中等症では見られない。

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