長寿のもと? 従来の悪玉「ケトン体」なぜ注目されている

公開日: 更新日:

 いまではSGLT2阻害薬は糖尿病というより、循環器疾患の薬として活用しよう、ということで循環器の医師や研究者が研究を始めているという。

 実際、日本の厚労省にあたる米国食品医薬品局ではSGLT2阻害薬を心臓病の薬として認可する方針だといわれている。

 ケトン体の利点はそれだけじゃない。脳神経のエネルギー代謝を改善し、活性酸素や炎症から神経細胞を保護する作用もある。既にてんかんの治療法として体内のケトン体をあえて高い状態に保つ「ケトン食」が使われているが、アルツハイマー病パーキンソン病などの脳神経細胞障害の抑制にも有効であるとの報告が上がってきている。

「ケトン体が健康・長寿のもとになる可能性も囁かれています。基礎医学の分野では、ケトン体の一種がエネルギー制限による寿命の延長をもたらすメカニズムに関係しているとカリフォルニア大学の研究グループが報告しています」

 ケトン体にはアセト酢酸、β─ヒドロキシ酪酸、アセトンの3種類あり、アセトンは呼気に排泄されるが、アセト酢酸とβ─ヒドロキシ酪酸はエネルギー源として使われる。最近の研究ではβ─ヒドロキシ酪酸は、寿命の制御に関係しているヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害し、酸化ストレスの耐性遺伝子の発現を促し、酸化ストレスを抑制することがわかっているという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった